確かに引っ越し祝いで男三人だけは寂しいかも。
知らない土地にきて近くに頼れる人もいないだろうし、隣の家同士になったのもなにかの縁かもしれない。
これから長い付き合いになるかもしれないし、両親が傍にいない寂しさを少しでも紛らわせるのなら……。
「私でいいのなら」
「え!本当?わーい!」
晶くんがなんの躊躇もなく私に抱きついてきた。
「なっ……!あ、晶くん?」
三兄弟の中では一番背が低いけれど、それでも他の男子よりもはるかに高いから私の体がすっぽりと埋もれてしまう。
もしかして晶くんって海外育ちとか?スキンシップがもはや日本人じゃないというか……女子たちの視線が本当に怖すぎるよ。
「晶くん、ちょっと離してっ!」
私が体を引き離そうとすると、さらに強い力でギュッとされて晶くんが耳元で小さく囁いた。
「絶対来てね。待ってるよ」
それは可愛い声じゃなくて普段より低い声。
ドキッとして耳が赤くなる中で、晶くんは何事もなかったかのように「じゃあね!」と子犬のように素早く歩き去ってしまった。



