「あ、そうだ。まりりん今日の夕方空いてる?」
晶くんが思い出したように言う。
「夕方……?」
とくに予定はないし今日はまっすぐに家に帰るつもりだけど。
「昴兄さんが引っ越し祝いでご馳走を作るらしいよ。どうせ男3人で食べることになるんだし、まりりんが遊びに来てくれないかなって……」
その表情は少し寂しそう。
まだご近所付き合いはないけど、挨拶しに来てくれた時に昴さんが一条家についてちょっとだけ話してくれた。
お母さんはすでに亡くなっていて、お父さんは各地を飛び回る仕事をしてるらしくて今は海外にいるんだとか。
だから男3人なのでこれから色々とよろしくお願いしますと丁寧に挨拶してくれたっけ。
昴さんは長男だし料理もできるらしいから生活面では大丈夫そうだけど……。それでも女手がないと不便なこともあると思う。
「ダメ……?」
晶くんが可愛い顔で私を見る。



