「瑠佳さん!」
「な……っ」
起き上がりかけていた瑠佳さんをあたしは押し倒す。
素早く、その唇を奪ってやった。
意外と柔らかい。
「な、なにして……っ」
「唐揚げ食べたお返し」
とか言って、瑠佳さんの心のドアを開ける方法がわからなくて混乱してしまったわけで。
あたしもなにやってんだろうって思っている。
だからね。そんなに、ぽかーんと見つめられたら恥ずかしくなる。
「唐揚げ?」
「そ。唐揚げ」
「じゃあ、冷蔵庫のヨーグルトは?」
はっ!
よみがえる過去!
そうだ。イライラして、勝手に食べたんだった。



