だから、避けていた。
 出て行けなんて言ったんだ。
 そのくせ、あたしがいなくなったら捜してくれた。



 本当は優しいくせに、そういう姿は誤魔化して。
 ちょっと可愛らしく見えてきた。




「瑠佳さん。どうして、あたしに話してくれたの?」


「親父が勝手に決めたルームシェア相手だけど。お前キツいこと言っても戻ってきたし、一緒に住むって言ってくれたし、でも、それなのにいきなりいなくなって……」




 何が言いたいんだろう。
 さっぱりわからないから、しばらく待ってみることにした。




「あんなとこで唐揚げ食べてまったりしてて。笑っていたかと思ったら、いきなり泣くから……っ」


「いいいいいつから見てたの!?」


「俺、わけわかんなくなって。ほっとけなくて。帰る時に手を繋いだら、全部話したくなった。だから……」




 だから。話したの? あんな辛い話、他人も同然なあたしに?