ユウセイが家に帰ってからすぐにリビングは騒がしくなった。


穴からその光景を覗いていると、2人の熱気がここまで届いてきそうな気がした。


ソファがキシム音、2人の息遣い。


そしてその動きはまるで野生動物のようだ。


2人の間に確かに愛情が感じられるのに、この時だけは欲望をさらけ出している。


相手が苦痛に似たうめき声をあげようがどうしようが、ユウセイの耳には届かない。


一方的で荒々しく見える行為。


サキは必死でそれについていくように、ユウセイの背中を抱きしめている。


もしも、俺がサキとあんな行為をできたとしたら、俺は一体どうなってしまうんだろうか?


かなわぬ幻想を抱きながら、俺はまたベッドへと這いずって戻り身を丸めて時間がたつのをまったのだった。