咲は真っ赤になりながらも「ご飯、できてるから」と、頬を膨らませた。


キッチンへ視線を向けると、思った通り俺の大好きなハンバーグが湯気を立てている。


とても上手そうで腹が鳴る。


だけど今はこっちだ。


俺はソファに寝かされた咲を見た。


「夕飯より、こっちを先に食べたいんだけど」


おどけながらそう言って見せると、咲は顔を真っ赤にして視線を外した。


嫌がっている様子ではない。


俺はそのまま、咲の首筋に顔をうずめたのだった。