首を傾げながらダイニングへと移動し、確認する。


床にはなにも落ちていないし、異変は見られなかった。


「なんだろう？」


そう呟いてリビングへと戻った時、また同じような音が聞こえて来た。


あたしはゆっくりと顔を上げる。


さっきの音、天井から聞こえて来た気がする……。


家の天井は壁と同じクリーム色の壁紙が張られていて、なんの変哲もないものだった。


「屋根裏……？」


あたしは小さな声でそう呟いた。


この家を外から見ると三角屋根になっている。


小さな屋根裏部屋があっても不思議ではない形だ。


だけど屋根裏部屋へと出られるような場所はどこにもなかった。


もしかしたら、部屋と屋根の空間に動物でも入り込んでしまっているのかもしれない。


この家は築年数が長いと優生も言っていたし、きっとそうなのだろう。


「ヘビだったら嫌だなぁ」


そう呟き、あたしはまた掃除をはじめたのだった。