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それから1時間後。


あたしはグッタリとしてソファに横になっていた。


リビングの写真を送ってすぐ父親から電話が来て、今までずっと説得をしていたのだ。


あたしと優生の不安は的中し『アパートを借りるんじゃなかったのか!』と、電話口で散々怒鳴られてしまった。


途中で優生が電話を代わって丁寧に説明をしてくれなければ、きっと説得はできなかっただろう。


「大丈夫か?」


食器の片づけをほとんど1人でしてくれた優生が、あたしの隣に座った。


「大丈夫だよ。ちょっと疲れたけど」


そう返事をすると、優生があたしの肩を抱き寄せた。


「ごめんな。俺が家を借りたばっかりに、咲まで責められることになって」