ゴトンッ。


と、鈍い音が聞こえて来て俺は周囲を見回した。


昼間に届いた段ボールがそのまま積まれている。


「どうしたの?」


俺が周囲を見回していることに気が付いた咲がそう声をかけて来た。


「なにか音がしなかったか?」


「音?」


咲は手を止めて首をかしげる。


咲には聞こえていなかったようだ。


段ボールの中で荷物が崩れたのかもしれない。


その中には食器などの割れ物も含まれている。


「咲、俺はこの段ボールの荷物を片付けていくから、なにか用事があったら呼んでくれ」


「そう? ありがとう」


咲はそう言い、料理に戻ったのだった。