そのまま頭を下げ、ノブを動かす。


ドアは外側へと開くタイプだったようで、少し体重をかければすぐに開く事ができた。


瞬間、真っ暗な部屋が現れた。


俺は一瞬躊躇し、そして部屋の中を見回した。


俺が寝かされていた部屋とは違い、どこからか冷たい空気が流れ込んできているのがわかった。


外気が入り込んでいるのだろうか?


だとすればこの部屋から出る事ができるかもしれない。


期待と不安で生唾を飲み込んだ。


部屋の中に人がいる気配はないが、安全だとも言いきれなかった。


俺は隣の部屋からの明かりだけを頼りに、再び前進した。


床がヒヤリと冷たくて思わず顔をしかめる。


長時間この部屋にいたら風邪をひいてしまいそうな寒さだ。


暗がりの中進んでいくと、突然頭部に何かがぶつかった。


思ったより狭い部屋だったのか。


壁かと思って顔を上げてみると、白いケースが目の前にあるのが見えた。


なんだこれは……。


うつ伏せのままそのケースの大きさを確認してみると、部屋の半分以上の大きさがあることがわかった。