喉からは空気が抜けただけで自分の耳には何も聞こえて来なかった。


なにがどうなっているのかわからない。


じだばたともがくようにして低いベッドへ戻り、部屋の中を見回した。


オレンジ色の裸電球。


窓のない部屋。


ドアは1つ。


本棚にはギッシリと本が詰まっている。


それらを確認してみても混乱を加速させるだけだった。


おちつけ、おちつけ。


俺は大きく呼吸を繰り返して目を閉じた。