「優生! 気が付いたの!?」


そんな声が聞こえて来て振り返ると、部屋の前にサキが立っていた。


「へ……?」


俺は唖然としてサキを見つめる。


俺がずっと抱きしめたいと思っていた女がなぜか目の前に立っている。


そして自分の恋人の名前を呼んでいる。


俺は瞬きを繰り返してサキを見つめていることしかできない。


「優生、大丈夫?」


何も呆然としていることしかできない俺に、サキが不安そうな表情に変わる。


ベッドに近づいて来たかと思うと、枕元に手を伸ばした。