ユウセイは少しうぬぼれているんだ。


可愛い彼女を持って幸せ一杯で、周りの状況が見えなくなっているんだ。


そう思うと、助けてほしいという感情は霧の向こう側へと消えて行くようだった。


俺は無意識の内に一本の柱へと向かっていた。


その柱は劣化が進んでいて、虫が巣を作っていた。


俺は躊躇することなくその柱に噛みついた。


歯を立てて木の一部を一気に引き裂く。


すると先端がとがった棒ができあがった。


俺はそれをくわえて穴へと移動した。