「なんだよ?」


肩を並べて歩いていた優生があたしを見てそう聞く。


あたしは「なんでもない」と、返事をして、優生の腕に自分の腕をからませて歩き始めたのだった。


☆☆☆


「え? ここ?」


あたしは優生につれられて丘の上に立つ水色の可愛い家の前に立っていた。


そして瞬きを繰り返す。


「そう、ここ」


優生はニコッとほほ笑んで頷いた。


「アパートじゃないの」


同棲すると言う事で、てっきりアパートに2人暮らしなのだとばかり思い込んでいた。


だけどあたしの目の前にあるのは小さいけれど立派な一軒家だったのだ。


ブルーの屋根に白い壁。