気が付けばベッドの上で眠っていた。


こんな状況で眠れるなんて、自分の神経の強さに驚いてしまった。


俺はベッドから下りて、ズルズルと這いずり、小さな穴へ近づいた。


そして右目を押し当てて確認する。


俺が初めて穴を見つけたのは、どうやら夜の事だったようだ。


今日穴から見えた景色は光が差し込んでいる部屋の様子だった。


恐らくはリビングダイニングなのだろう、とても大きな部屋だった。


しかし部屋の中はガランとしていて家具も置かれていない。


誰も暮らしていないことは明白だった。


ここは犯人のアジトで時々しかその姿を見せないのかもしれない。


冷凍庫にあれほど大量の食糧が用意されているのだ。


数か月に1回くらいの割合でしか来ないのかもしれない。