どうして咲があんなに機嫌を悪くしたのか、俺には理解できなかった。


同じ大学へ向かうのに別々に家を出て、学校内で顔を合わせてもすぐに視線をそらせてしまった。


講義を受けている最中に咲の言葉を思い出す。


まるで俺の両親が悪いと言いたげだった。


だけどそうじゃないと咲は言う。


俺だって両親が食べて来るかどうかなんて知らなかったし、どうすればよかったんだろう。


考えてもわからなくて、俺は結局咲から逃げて1日の学校をやり過ごしたのだった。