天井にはオレンジ色の電気がついていて、ぼんやりと天井を照らし出している。


本を読んでいる間と眠っている間だけはこの部屋の事も忘れられるのに、こうして1人横になっていると嫌でもその現実を見なければならなかった。


相変わらず周囲から物音は聞こえて来ない。


どこかの家の屋根裏である事は確かなのに音が聞こえて来ないということは、この家には誰もいないということなのかもしれない。


犯人は外出中という事もあり得る。


俺は体の向きを変えて壁を見た。


窓もドアもなく、空気がこもっている。


動いて舞い上がったホコリが揺らめいているのが見えた。


蛍光灯の光を浴びながらユラユラと当てもなくゆらめくホコリ。


そのホコリが、下から上へと舞い上がっている部分を見つけた。


それはまるで下から風を送られてきているかのように、上へ上へと上がっている。


俺は上半身を起こして床を見た。