家が見えて来ても電気はついていなかった。


咲は今日がアルバイト初日だと聞いていた。


俺は車を車庫に入れて玄関を開けた。


真っ暗な家の中に小さくため息を吐き出す。


主がいない家は寂しいものだな。


そんな事を考えながらリビングへ入った。


出かける前にしっかり掃除をし終えていて、どこも綺麗だ。


それを確認した俺は「よしっ!」と自分に気合を入れてベランダへ出た。


そこには干しっぱなしの洗濯物がある。


触れてみるともう十分乾いていた。


それは洗濯カゴにそれらを投げ入れていく。


2人分の洗濯物はすぐに畳み終える事ができそうだ。


咲はここへ来てからすぐにすべての家事をこなそうとしてくれていた。


だけど、1人で無理をする必要はない。