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この日から、あたしもアルバイトを始めることになっていた。


優生はそんなことしなくても大丈夫だと言ったけれど、あたし1人なんの支払いもしないというわけにはいかなかった。


お互いにまだ学生なんだから、助け合わないと。


あたしが選んだアルバイトは、近くの飲食店だった。


夜10時までの営業のファミリーレストランだ。


料理はそれほど得意ではなかったが、優生と暮らすために少しでも腕前とレパートリーを増やしたいと思って選んだ。


真新しい制服とエプロンに身を包むと、大学の入学式を思い出す。


あの頃と今は似たような気持ちだった。