あたしの後釜など、掃いて捨てるほど、いるのだった。


 気にしてない。


 むしろ、今のあたしはチャンスだ。


 契約を結ぶ際も、東京都内などで会うのじゃなくて、スカイプ一つで済んだ。


 後はメールのやり取りで仕事が進むのだ。


 入稿などは、全部ネットでやる。


 記事は添付ファイルで送るのだった。


 契約先は、大手の専属ライター業界の中の一つである。


 待遇も、今とほとんど変わらない。


 乗っていい話だった。


 素直に。


 実際、今の会社の上役にそれとなく話すと、


「いい話じゃないか。是非やりなさい」