「輝じゃなくて、俺を見てくれない?」 そんなのずっと見てるよ。 真緒くんしか見てないよ。 私は瀬戸輝に握られた右手を、ぎゅっと握った。 「私っは…ずっと……今までずっと…真緒くんしか見てないですっ…!!」 「…え?」 「私がずっと10年もずっと好きなのは真緒くんですっ!!」 言えた。 真緒くんに聞こえる声で言えた。 体中熱くて、苦しい。 でも、それ以上に伝えられたことが嬉しい。