校舎裏は昼休みでさえ、人気がない。 授業中なんて尚更で、1人しかいなかった。 段差に座り、俯いている女子。 あれは…七海だ。 つーことは、輝は七海がここにいることを知っていたのか? そしてあの急な謎の話は…こういうことなのか。 「七海」 そう俺が名前を呼ぶと、びくっと肩を上げる。 そっと顔を上げた七海の目は真っ赤だ。 目線が合うように、七海の前にしゃがむ。 「七海。泣かせてごめんな」 黙ったまま、ただ首を横に振った。