そんな言葉、真緒くんに一番言われたくなかった。 ただ振られてしまうだけなら良かった。 でも、振られるどころか、今までの私の気持ちなんて全く伝わっていなかった。 それが悔しくて堪らない。 「……います」 「な、七海…?」 一生懸命に時間をかけて書いた10年分の想い。 そのラブレターを片手で強く握りしめる。 10年の想いなんて一瞬で消してしまえる。 「……くんなんかっ…真緒くんなんか大っ嫌いです!!」 心にもない言葉は、容易く伝わってしまった。