気を取り直して2ページ目を捲った。

そこに挟まれていた何かがばさばさと落ちてしまう。慌ててかき集めると、それが写真だと言う事に気づいた。


「……小さい頃のあたしだ」


どの写真にも必ずあたしがいて、それは幼稚園の時からお兄ちゃんが亡くなる数日前まであった。


一つ写真を拾い上げれば、そこには幼い頃のあたしとテルくんが映っている。お兄ちゃんよりもテルくんが殆どで、昔から無愛想なテルくんの表情に笑みが零れた。


プールに行った時であろう、一枚の写真は跳ねた水のシミが残っていた。
他にもお花見や海。珍しく浴衣を着て行った花火大会…懐かしいな。


お兄ちゃんは家に帰ることが少ない人だったけど、帰ってくるたびにどこかへ連れて行ってくれたのだ。


まさかこうして写真を残しているなんて、思っても見なかった。