「…じゃあ、またね」 「ん、…また」 何か名残惜しくて振った手をそのまま雪の袖にやった。 きゅっと黒い袖を握ると雪は片手で顔を覆った。 「…雪?」 「勘弁しろよ……」 顔を覆っていた片手が、私の方へ回る。 雪は軽く私を抱きしめて、私の肩に自分の頭を置いた。 「雪…?」 何だか甘えられているような気がして、おそるおそる彼のさらさらな髪を撫でる。