「雪じゃなくて、雨が降ったな」 雨は嫌いだ。 なぜか、不安になる。 1つの傘で手を繋いで歩く帰り道。 雨の音だけが世界に響いているようで。 きゅっと律の手を握った。 「じゃあ…」 私の家の前でいつものようにお別れ。 「うん、バイバイ」 寂しくて、手を離したくなくて。 ぎゅっと力を入れる。