「もう夏だけど、さすがに寒いね…」 雨に打たれっぱなしだった体は冷えきっている。 「温めてやろうか…?」 そんな言葉と一緒に降ってきたキスは 今までで一番甘いような気がした。 いつも、いつも、紫色とのキスは “涙の味”がしてたから。 それにしても、紫色ってキス魔なのかな。 「俺、キス魔だから…覚悟しとけ」 !!!?? こ、心を読めるのか! 「口に出してる」 紫色は可笑しそうに笑って 私の頭をくしゃっと乱暴に撫でた。