先ほどから頭を抱えたままドミノを見守っていた女子はというと、なぜか立ち上がって、拍手をしていた。 「いっそ清々しい。最後までいけてよかったな。」 誰への称賛だ。 自転車か。 「…よし。」 ドミノの先頭。 つまりはこのドミノ倒しの元凶となったであろう自転車を起こすと、それにまたがって走り出そうとする女子。 なにが、「…よし。」だ。 なにもよくない。 まさか、このまま放置するつもりなのか… 「ちょっと待て。」