「まだ、まだ終わってない。」




私が呟くと駆流が当たり前だろと言って笑った。




6回の裏、なかなかヒットが出ず点が取れない。




8回の表、またもや1点の追加で2対0。




悪い流れを断ち切ったのは、陸先輩。




8回の裏、陸先輩のヒットで1アウト2塁。




「よし!このまま続け!!」




その後、2アウトになるも、4番の先輩がヒットを打って陸先輩がホームに帰ってきた。




これで2対1だ。




追いつける!!




9回の表、どうにか守りきって後は1点取るだけ。




先輩達はベンチで円陣を組んでいる。




9回の裏、2アウト一塁二塁。




一通り回って、打席には陸先輩の姿。




ストライク、ボール、ボール、ボール、ストライク。




フルカウントになった。



ここでヒットが出ればどうにか試合が進む。




みんなが見守る中、カキーーンとなった金属音。




当たったボールは空高く飛んで、ライトのグローブの中に。




先輩達の夏が、





終わってしまった。