君と駆ける夏

ボール、ボール、ストライク、ファール、ファール。


5球目。



私は大きな声を出していた。



「駆流、打てーーーーーー!!」



瞬間、金属音と一緒にボールが高く飛ぶ。



そして、そして、



「ホームラーーーーーーン!!」



ベンチからは大歓声。



私は嬉しくて涙が出そうになった。



駆流がホーンベースを踏んで2対1。



その後はアウトになってしまった。



この回の裏を守りきれれば、優勝。



私はグローブをはめる駆流に話そうと立ち上がる。



私の声も喉が痛くて出すのが辛い。




「光。去年と同じことには絶対しねぇ。だから、待ってて。」



私が言おうと思ったのに先に駆流に話せれてしまった。



「今の駆流は去年と違うよ。・・・・今の駆流は、誰よりもかっこいい。・・・・待ってるから。見てるから。」



そう言うと急に手を引っ張られて抱きしめられる。



周りはみんな誰も見てないけど、私は混乱して何も言えない。



「ちょっと落ち着いた。」



「・・・・緊張?大丈夫だよ。」


掠れる声に気づかれないように言った。