念のためって、入院の可能性があるってこと?



そんなの、無理。



甲子園で駆流があそこで立った姿を見たい。



入院だっていつまですればいいか分からないじゃない。



この冬、大丈夫だとしても新学期にどうなるか分からない。



でも、4月になったら私達は野球1色なわけで入院なんてありえない。



なんとしても、治さなきゃ。



私は顧問の先生、担任、そして、萌絵ちゃんに話した。



萌絵ちゃんに話すのはこれから仕事をしていく中で一番迷惑をかけるから。



顧問の先生と担任は普通だったけど、萌絵ちゃんは少し悲しそうな顔をした。



「大丈夫なんですか?今は。」



「うん。でも、大きな声を出すと喉痛くて。咳もそのせいなの。・・・・前は風邪だって言っちゃったけど。騙したわけじゃないけどごめんね。」



「そんなこといいんですよ!このことは誰にも言いません。きっとみんなに言ったら光先輩怒るから。ですよね?」



「うん。当たり!・・・学校で先生達以外に知ってるのは風香だけだから。」



「分かりました。でも、無理しないでくださいね。私も協力するので!」



「ありがとう。」