そんなの嘘。




駆流がどれだけ凄いか、そんなの私が1番分かってる。




「自信あるよ!!今まで甲子園目指して練習してきて、こないだの決勝で自分も行けるんじゃないかって思えた!!」




「なら、ぐちゃぐちゃ余計なこと考えなくていいじゃん!!不安なら不安って声に出せばいい!!メディア!?ちょっと人気になったらそんなこと考えるわけ!?たとえ期待された通りにならなくても大丈夫!!私が、私が、駆流の凄さ1番知ってるんだから!!」




ブランコから立ち上がって私が駆流の前で叫ぶ。




「誰よりも近くで見てきた。約束守るために努力してきた。でも、今になってそんな気持ちにならないで!!駆流は、誰よりも野球が好きでしょ?もしもの時は私が何度だってベンチから騒いであげる!!負けんなって、自分に負けんなって、勝てるよって、前見ろってっ!!言うから!!何度だって言うよ!!」




私は息が上がってその場に立ち尽くす。




駆流は私を見たまま立ち尽くす。





1人で熱くなっちゃったかな?




何秒間か見つめあってると駆流が口を開いた。




「ふっ、あははっ!!あーーーー、俺本当に馬鹿。光の言う通りだよ。情けない。周りを気にしすぎて、大事なこと忘れてた。そうだよな。隣にはいつも光がいるんだもんな。誰に何言われても、こんな怖い顔して怒ってくるやついたら、なんにも怖くないや。・・・・・・・ありがと、光。」