翌日。








最後くらい、綺麗だと言ってほしくて、タンスから浴衣を引っ張り出した。




途中までは真依ちゃんと一緒に祭りに行くことになったので、お互いを着付けている。






「え、真依ちゃん胸大き…」「やだーもー何言ってんの!」




バシッと勢い良く背中を叩かれて、思わず咽せる。





ほんとに怪力なんだから…







「ねぇ、奏ちゃん……これどう?」




真依ちゃんが私に見せたのは、花をモチーフにした髪飾りだった。





「うん、真依ちゃんの髪に映えると思うよ。かわいい。」



「いやいや、違うしぃー」



笑いながら、真依ちゃんは私の髪にそれを付ける。




「うんうん。私の目に狂いは無かったね!」





「……ふふっ…ありがとう。」





「どういたしまして!

んじゃ、行きますかぁー」






今日は祭りがあるからか、いつもより人が多い。


境内に続く階段にも人がちらほら。

線香花火をしている人もいる。









「じゃあ、私は金魚すくいとかしてるから!奏ちゃんの用事が済んだら声かけてね!」





「わかった!ありがとう!」




真依ちゃんは、こちらに大きく手を振ってから、金魚すくいの屋台めがけて走っていった。


さすが、切り替えはやいなぁ…