翌朝は恥ずかしすぎて、必死で平静を装った



いつも通りに仕事をして定時に上がり、会社まで迎えに来ていた大家の澄子さんの紹介の仲介業者に連れられて橘と共にマンションの下見に行った



思わず「え?ここ?」と言ってしまったそこは、杏さんが一人暮らしの時から使っていて、今は大也と果奈ちゃんの3人で暮らすマンションだった




何度も遊びに来ているから、内覧なんてしなくてもよく知っている



会社からも近く、セキュリティもしっかりしていて、1LDKの間取りは広々とした造りで収納スペースも多い



案内された部屋は程よく杏さんと大也が住む部屋から離れていて、なかも綺麗にリフォームされていて即決した



契約をするため、仲介業者の店舗へ移動しカウンターに橘と並んで座る



仲介業者と話を進め、契約書へ署名するのは…なぜか橘



「どうして橘がサインしてるの?私の部屋よね?」



私の疑問に不敵に笑う



「俺達の部屋」




は?



俺達?



それってつまり…



「どうせ新しく部屋借りるなら一緒に住めばいいだろ。さつきがいないのに会社から遠い所に住み続ける理由もないしな」