ランドセルを背負った小学生が歩いている。 図書室に寄る時間はまだたっぷりと残っている。 学校を出るにはまだ早い。 それでも俺は通学路を歩いている。 必死な形相で追いかけてくる不審な女もいないのに、早足で家までの道を歩いている。 苛立ちをぶつけるようにドアを強く閉める。 その音にリビングから母さんが顔を覗かせた。 「ちょっと何?ドア壊れちゃうじゃない」 小言を言われるも俺の視界に母さんは映っていない。 俺が映すのはただ一人。 昨日から住みついているあの女。