「マッズー!これ洗顔フォームじゃん!もお、教えてよねー」 「俺?俺のせいなの?」 「そう、全ての女性は大切にされるために存在しているの」 意味の分からない持論で言いくるめられる。 「そっか、ごめんな」 なぜか謝る。 謝ってから、妹の疑問について考える。 確かにその通りだ。 家の者が不在になって、椿は一日をどう過ごすつもりなんだろう。 あと二時間もすればみんなそれぞれに、自分のことをするために、この家を出る。