その時だった。 誰かが声をかけてきた。 「大丈夫?」 そう言いながら軽く肩を叩かれた。 あの日と同じ匂いがした。 季節も場所も違うのに、あの日と同じ冬の匂いが。 すぐに分かった。 その声を聞いたのは一度だけ。 世界の終わりのほんの一瞬。 だけど分からないはずなんてなかった。