静かだ。 なんの物音もしない。 聞こえるのは俺と椿の息づかいのみ。 当たり前だ。 この家にはいま俺と椿しかいない。 その二人はシングルベッドに横になって、会話もなく、眠りにつこうとしているのだ。 目を閉じた椿は心なしかいつもより若く見える。 眉間に皺はないし、鋭い眼光は閉ざされている。 布団から覗く首は女だということを差し置いても細く、頭の重さで折れてしまうんじゃないかと思えるくらいだ。