「今日はあんたと私の二人だけ」 人差し指で指したのは、自分と玄関で棒立ちしている少年。 椎名家で面倒をみている女とそこの長男。 つまりは椿と俺、椎名柊だ。 いやいや、まさか。 そんな訳ない。 そんなはずー 「何訳の分からないこと言ってるんだよ。母さんは?父さんは?さくらは?ああ、まだ帰ってきてないんだな。嫌だなー、紛らわしい。そうか、今日は俺が一番乗りかー」 全く椿の無愛想さには驚かされる。