バス停で秀俊と別れて、俺は温かい我が家へと向かう。 図書室での勉強が捗って、冷たい空気が気持ちよくて、ジャンクフードでエネルギーを注入して、いまの俺は無敵だと思った。 家に帰れば椿が居る。 コタツに陣取り太々しい態度でくつろいでいる。 それがどうした! そんなこと些細なことじゃないか。 椿は記憶がない可哀想な人間だ。 せめてうちに居る間は不自由なく好きにさせてやればいい。 経緯はどうであれ声をかけたのは俺なのだ。