王様と私のただならぬ関係






 結局、暗くなってから、マンション一階のコンビニでワインと美味しそうなお弁当を買い、二人で晩御飯を食べた。

「金魚を飼おうか」
と唐突に秀人が言ってきた。

「……なんでですか」

「お前のうちでも、俺のうちでもいい。
 記念に」

 明日香は一口ワインを呑んで、……なんの記念ですか、と思いながら、ふうー、と溜息をつく。

 相変わらず、自分の頭の中だけで、ずいぶん先まで話が進んでいるらしい。

「なんの記念ですか」

 一応、確認しておこう、と思いながら、そう口にした。

 理解不能な記念日かもしれないが。

 さっき水をくみあげたら、小魚も一緒に入っていた記念日とか。

「お前と付き合い始めた記念日だ」

「……付き合ってません」
と言ってみたのだが、

「じゃあ、付き合ってない男を部屋に上げちゃ駄目だろう」
と説教してくる。

 じゃあ、上がるな、と思っていると、
「お前は付き合ってもいない男を部屋に上げるようなふしだらな女ではないと信じている。

 だが、お前は俺を部屋に上げた。

 だから、お前は俺と付き合っているはずだ」
と言ってきた。