王様と私のただならぬ関係

 なんで買ってこいで、買いに行こうじゃないんだとか。

 夕飯は別々なんですか?

 ちょっと寂しいですとか。

 ただの一般論ですからねーっ、と思っていると、またエレベーターから、あの近くの部屋の女性がやってきた。

 おっかなびっくり、こちらを見ながら、
「……こんばんは」
と言ってくるので、

「こんばんは」
と言いながら、なんとなく、葉月を手で示し、

「あの、生きてます」
と阿呆なことを言ってしまう。

 だが、向こうの女性は、あ、ああ、そうですよねー、とほっとしたような顔をして、では、と笑顔で頭を下げて行ってしまった。

 ドアを開けて入る明日香のあとをついて来ながら、秀人が、
「生きてますってなんだ?」
と訊いてくるので、

「いえ、私も不安に思ったことをあの方も不安に思ってらっしゃるようなので、口に出してみたまでです」
と言ったあとで、

「なんで、そんな生きてる感じがないんですか」
と訊いてみる。