だが、秀人は、ふうん、という顔でこちらを見ただけだった。

 うわっ。
 間近で見ても綺麗な顔だな、と思う。

 みんな思わず、挨拶するのも忘れている。

 どんな整った顔をしていても、だんだん、魂が表に出てくるというか。

 俗物っぽい顔になっていくものだが、この人にはそれがないな、と思っていた。

 よっぽど顔に出ない人なのか。

 それとも、本当に天上人のように、世俗に興味のない人なのか。

 どっちだろうな、と思いながら、彫像のように整ったその姿を眺めていた。