翌日、研究棟に入るチャンスがあった。
四月なので、いろいろと回す書類があったからだ。
「私っ、行ってきますねっ」
と明日香が名乗りを上げると、
「おー、張り切ってるじゃん、新人」
と緋沙子が笑う。
はい。
張り切っております。
全然違う意味で……。
でも、事務室までしか入れないからなあ。
あのポスターもどきの窓も見られないだろうし、とつい思ってしまったあとで。
いやいやいや、別に葉月さんに会いたいとかじゃないんだけど、とすぐに否定する。
あのあと、クラゲを見ながら、デートのスケジュールを立てさせられた。
なんだろう。
研究の分野は違えど、こういうところ、うちのお父さんと似ている、と思っていた。



