王様と私のただならぬ関係

 それにしても、これはいきなり、貞操の危機という奴では、と思いながら、思わず、周囲を見回すが、手の届く範囲になにもない。

 というか、やはり、この部屋にもベッドと水槽以外、なにもない。

 ん?
 ベッド?

 暗いからわからなかったけど、此処、ベッドじゃないですかっ、と気がついた。

 辺りを窺う明日香に気づき、秀人は言ってきた。

「硬いケーキは此処にはないぞ。
 硬い物もない。

 スタンドライトはさっき退けておいた」

 けっ、計画的犯行っ!

 いつの間にっ。

 如月先輩よりタチが悪いっ、と思っていた。

 明日香は、自分の上に乗ったままの秀人に訊いた。

「何故、一足飛びに、こういう展開になってるんですか」

「他のことはわからないからだ」

 ひーっ。
 やっぱり、この人壊れてるっ!

 キスしてくる秀人を退けようとしたが、背中に手が触れる。

 ファスナーないしっ。

 ゆるキャラじゃないしっ。

 ゆるくないしっ! と思いながら、手首を押え込まれたまま、明日香は叫ぶ。