王様と私のただならぬ関係

「私、淹れましょうか?」
とじっとしているのも落ち着かないのでそう言うと、

「いや、いい」
と言った秀人は、きっちり時間と分量をはかって、紅茶を淹れていた。

 実験か……。

 しかし、やはり、此処でも出る幕などなさそうだな、と思って、それを見ていた。

 いい匂いがしてきた。

 マルコポーロの強い香りが、より引き出されている気がする。

 特に紅茶に興味はないようだが、この人のことだから、ちゃんと勉強して、きっちり基本通りに淹れてるんだろうな、と思う。

 基本に忠実って、意外と大事だな、と大雑把な明日香は、ただそれを見ていたが。

 秀人の整った横顔を見ていて、ふと不安になった。

 やっぱり、この人、機械かなんかなんじゃ……。

「……何故、俺の後ろに回り込む」
と紅茶をカップに注ぎながら、秀人が言ってきた。

「俺も殴り殺す気か」
と振り向き、言ってくるので、

「殴られるようなことしてないじゃないですか」
と言うと、

「いや、これからするつもりだ」
と秀人は言う。