王様と私のただならぬ関係

 いや~、まあ、それは、そうなんですけど。

 普通、ある程度は揃えときますよね~と思っていると、秀人は、こちらを見て、ああ、と言う。

「今度から、お前のがいるか。
 今度来るとき、買ってこい」
と言ってお金を渡そうとする。

 いやいやいや。
 結構ですっ。

 っていうか、茶碗と箸と湯呑みと取り皿で、四万円もいりませんからっ、と掌に札を載せられたまま、明日香は固まる。

 やはり、この人、金銭感覚がおかしいようだ、と思っていた。

 それとも、この茶碗、実は、ひとつ、一万円だとか? と思いながら、淡いクリーム色の陶器の茶碗を見ていると、秀人は引き出しを閉め、

「お茶でも飲むか?」
と訊いてきた。

 なにもないかのように見えた食器棚のガラス扉の部分。

 右上にちょこんと存在していた立派なティーカップのセットを出してくる。

「なんだ。
 あるじゃないですか。
 お客様に出すカップ」
とちょっとほっとして言うと、ミントンらしい可愛らしいカップを手に、秀人は、

「引き出物だ」
と言う。