王様と私のただならぬ関係

 葉月さん、指輪くれたのに、なにも返せないな、と思っていた。

 最初に会ったときから、助けてくれたり、金魚くれたり、水槽くれたり。

 なんだか葉月さんからいろんな物や気持ちをもらってばっかりだ。

 なのに、私はなにも返せてないな、と思う。

「明日香」
とあの瞳で自分を見つめて秀人は言う。

「俺がこの顔じゃなくとも、俺を好きになってくれるか?」

 葉月さん……。

 一度言ってみたいです、そのセリフ……。

 だが、彼は真剣なようだった。

 あんなおかしな仮面をつけてやってくるほどに。

 そんなに廣田さんが言ったことを気にしてたのか、とちょっと可笑しくなってくる。

 全然、周りの言うことなんか気にもとめてないようなこの人が――。

「葉月さん……」

 明日香は秀人の腕をつかみ、そっとその唇に触れてみた。

 秀人が驚いた……

 ような気がした。

 相変わらず、表情は変わらないが。