王様と私のただならぬ関係

「弟切草の花言葉は、秘密だろ」

 いや、あの、秘密もありますけど、他にも、迷信とか、敵意とか、恨みとかありましたよねーと思っていると、

「ちなみに、シクラメンは恥じらいとか、恥ずかしいって意味だ。

 俺は本当は最初からお前が好きだったんじゃないかと思うが、恥ずかしいから、それは秘密だ」

 くっ、口に出して言えーっ!

「意味から逆引きしたんだが、ちょうど、うちの温室に弟切草があったから」

 やっぱり、その辺にあったからかっ、と思いながら、

「あのー、葉月さん、花言葉って、いっぱい意味があるので、出来れば――」

 どの意味かを、と言おうとしたとき、車が着いた。

 あのときの埠頭だった。

「ちょうど着いた。
 どうしたことだ。

 廣田のように上手くいっているっ」
と秀人は自分で驚いている。

 窓から水面を指差し、
「本当は水をくむ柄杓を見せてやりたかったんだが、九州までは行けないし、時期も違うから、心の目で見ろ」
と無茶を言う。

 この辺はなにもちょうどよくないぞ、と思っていると、
「明日香」
と呼びかけてくる。