王様と私のただならぬ関係

「お前、弟切草の花言葉って知ってるのか?」

 ああ、という顔をしたあとで、
「明日香か。
 知ってる」
とだけ言い、またペンを持ち直すと、元の壁に戻っていった。

 そこで書けっ!
と思ったが、今の秀人にとって、あの壁がなにか具合がいいのだろう。

 発想が浮かびやすいとか、と思いながら見ていると、書きかけて、少し左に移動する。

 再び、書き始めた。

 一面同じ壁だろうがっ。

 なにが違うんだ。

 シミの位置かっ!?

 それにしても、弟切草の花言葉を知ってて送ったのか。

 なんの意味があるんだろうな……と思いながら、白衣のその後ろ姿を見つめていた。

 よく女は男の考えていることがわからないと言うが、こいつの考えだけは、同性の俺でも読めん、と思いながら。